秘密基地で体験する初めての地平

こういう樹上の秘密基地にはちょっとしたコツ、技術的にはそう呼ぶかもしれないけれど、密かなコンセプト、形には見えない作るべきもののことを考えます。
わずかな高さでもその子にとっては大きな冒険であり、それは大人が手掛けてすごいものを作ることではなく、子供たちの手による冒険の結果の基地でなければならない。
でも子供がすべて手掛けたからと言って、あまりにも貧相なものならキャンプのアクティビティの感動はないし、そこで大人が言えばコンセプト、子供には言葉にならない「すごいもの」、それをめざして具体的に大人の技術を交えるのです。
「すごいもの」はツリーハウスというモノの完成度という方向ではなく、子供たちが自らの手によりそれまでの人生にはなかった地平を手にいれること。
僕が見出したいのは、その新たな地平を見出す、意識の転換点になる部分。
それは体験してみなければわからない。
もしかするとそれが「『秘密』基地」なんじゃないかと、僕はそう思うのです。
この子たちは、制作途中のある時点からこの場所のことを「天国」と呼ぶようになりました。
そして仲間意識の枠が広がりだした子たちは、これに参加していなかった小さな友達も上れるように木組みや階段を作りだし、そして最後は全員で「天国」に上って記念撮影。
その写真はハガキに印刷されてキャンプレターとして家の方に送られましたが、みんなそれぞれに「これはみんなで天国でとったしゃしんです」と書いてあったのが印象的でした。
親御さんにしてみると、天国???・・・な感じ(笑)。
でもそれこそが新しい世界を見たみんなだけが知っている「秘密」の場所での出来事なのです。
長野県菅平高原にて。
関係するテーマの過去記事:
人間に働きかける芸術的なもの
秘密基地、日々活躍中
ツリーテラス、秘密基地として復活
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ツリーテラスその後
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尽きるまで遊んだ夜
森の家、地上3階から地下1階まで
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