モルゲンロート、岩山と太陽の造形と心象風景
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そしてモルゲンロートの時間がやってきます。
モルゲンロートとは山岳の言葉で朝焼けのこと。
3000mの岩山が静かに赤く染まり始めます。
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朝焼けを表すモルゲンロートという言葉、他の登山用語の多くがそうであるようにドイツ語です。
ここがドイツ語のまま呼ばれているのは、山も朝焼けも美しいものを見る心も当たり前に日本にあったのに、近代登山と芸術という舶来の概念によって山の景色の新しい見え方があること知った時代の日本人の感動がそのままあるのではないかと思ったりします。
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登山の目的や魅力は登頂だけでなく、下界では見られない景色や自然物と出会えることでもあります。
「なぜ山に登るのか」、そこで「朝焼けを見るため」を第一目的と言うひとは少ないかもしれません。
けれどモルゲンロートと言えばそこに独特の響きがあり、その場所に来なければその風景は見られない、そして風景現物だけでなくそこに立つからこそ自分に存在する心象風景を見ることができるのかもしれません。
芸術が人間の内面に働きかけるように、岩山と太陽が創る芸術がもたらす思いこそが、多くの人が山に登る理由のひとつなのかもしれません。
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地図看板に貼られている多数の山岳事故情報
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